歩行障害と脳疾患
2017年07月09日
歩行がだんだんと困難になっていく病気は主に3つあります。①脳疾患、②腰椎疾患、③下肢動脈閉塞性疾患です。脳疾患では、脳卒中などは良く認識されていますが、最近注目され始めているのが、特発性正常圧水頭症です。老化と動脈硬化によって脳の水分が過剰になる病気です。正しく診断できれば簡単な手術によって歩行の改善が期待できます。椅子から立ち上がって第一歩を踏み出すまでに時間がかかり、歩幅も小さいのが特徴です。歩行パターンと頭部MRI検査で診断がつきます。診療ガイドラインや教科書(私も分担執筆しています)も出版されており、今後この病気が克服されて行くことを願っています。